
美容師免許をもつバーバー誕生「反骨の少年」
地元は、南国の陽射しが降り注ぐ宮崎県。代々続く農家の長男として姉二人に囲まれながら、活発に育ちました。
「お前は農家を継げ」
そう言われ続けた幼少期。反発するように選んだのが、バーバーという道でした。
バチッとフェードを効かせたスタイルに、心を奪われたのは中学生の頃。
地元の美容室でそんな髪型をしてもらうたびに、自分の中の「かっこよさ」の輪郭が鮮明になっていきました。
そのとき、はじめて「バーバー」という世界に触れました。
高校時代はサッカー部。髪をかっこよくキメてもらったその足で、同級生や後輩の髪を切ってあげたりしました。
かっこいいをもっとみんなに共感して欲しかったんです。 「お前もこうしたらかっこよくなるって!」と、半ば強引にハサミを握ることもありました。笑
SNSが盛り上がり始めた時代。僕のフィードはいつも「バイク」や「男らしさ」に満ちた世界がありました。
あの頃、僕が求めていたのは、ただ一つ。「かっこよくなりたい」でした。
ある日、いつものように髪を切ってくれる美容師と将来の話をしていたときのこと。
その美容師は、バイクに乗って、タトゥーを入れて、自由に生きる、まさにかっこいい象徴のような人。
「俺もこの仕事をやればいいじゃん」って、ふと思ったんです。それが高校2年のとき。自然と「バーバーになろう」と決めました。
そして高校卒業後、福岡県の美容専門学校に進学。
でも、入学してすぐに気づいたんです。
「俺が憧れていたバーバーって…理容だったんだ」って。笑
そう、バーバーは床屋。僕が通っていたのは美容学校。しかも、学費は親が払ってくれていたし、途中で転入もできなかった。
だからそのまま美容師免許を取得することになりました。
理容学科に通う同級生たちのカット実習を、指をくわえてみている学生時代でした。
福岡から旭川へ通い詰め、アパッシュへ
専門学校時代、バーバーという存在を知った瞬間から、世界が変わりました。
調べれば調べるほど、「かっこいい」の深みにハマっていきました。
ブロッシュ、Mr.Brothers。
誰もが知るその名に惹かれながら、 「もっと本物に触れたい」と思うようになっていきました。そんなとき出会ったのが、アパッシュでした。
ブロッシュを一緒に手掛けたのがアパッシュだと知ったとき、正直震えました。存在感、哲学、スタイル、すべてが本物にみえました。
そして、専門学校1年生のある日、川上さんが東京のハウスオブセブンというイベントでカットショーをするという情報を手に入れ、「会いに行くしかない」と勝手に体が動いてました。
初めて目の前で見た川上さんのカットショー。
その瞬間から、決まった。
「アパッシュで働きたい」
それから、福岡の専門学校に通いながら、旭川のアパッシュに4〜5回ほど通いました。
特別に実習までさせてもらった日は、宝物のような経験でした。
卒業が近づく頃、求人は出ていなかったけれど、どうしても気持ちを伝えたくて、再び旭川へ。
直接、川上さんにこう伝えました。
「アパッシュで働きたいです。」
僕の強みは「素直さ」。だからこそ、正面から伝えるしかなかったんです。
ただアパッシュで働く上での問題は、僕が美容師免許しか持っていなかったこと。笑
でも、運は味方してくれました。
福岡と旭川、それぞれの専門学校の先生方のつながりと支えがあり、アパッシュで働きながら、1年間理容学校にも通い、理容免許を取得することができました。
ちなみに、バーバーになりたいと思わせてくれてた、地元の美容室オーナー。
その人の原点もまた、「アパッシュ」川上さんのセミナーだった。
まるで見えない糸に導かれるように、縁が、僕をここへ連れてきてくれたと思います。
ーーー地元を離れる日
「農家になれ」そう言っていた父は、僕の旅立ちにこう背中を押してくれた。
「俺は農家以外のことができなかった。だから、お前は好きなことやれ。」
感謝、挑戦、 夢という名の荷物をカバンに詰めて、いざアパッシュへ。
アシスタント時代が全てのバーバーの土台になる
理容免許を取る関係もあり、僕のアシスタント期間は2年。
でも今振り返ると、この2年こそがすべての基盤だったと、しみじみ思います。技術はもちろんだけど、人としての在り方を徹底的に叩き込まれました。
バイクの乗り方から、人への礼儀作法。プライベートまで含めて、全部矯正されていくような感覚でした。
「北海道を知るなら『北の国から』を観ろ」そう言われて、営業後も学びは続きました。
観たあとに「どう感じた?」「何を考えた?」ことがそのまま、接客の引き出しや言葉の深みに繋がっていきました。
直接先輩方から教わるのではなく、 自分で感じて、自分で掘り下げていく力を育てられました。
スタイリストになれば、すべては自己責任。スタイル提案も、仕上げも、全てが「自分次第」になります。
だからこそ、アシスタント時代に「どれだけ感じて」「どれだけ盗めるか」が命だったんです。
先輩が髪を切りながら言っていた一言、シャンプー後に商品を買ってもらえた提案の仕方、
何気ない会話の中に、全部ヒントがある。
8時間勤務の中で、ただ髭剃りだけをしていたら何も学べません。
僕が顔剃りに集中している時でも、耳と目は常に先輩のカットやセット、会話のテンポに向けていました。
五感すべてを使って、学び尽くす日々。それがアシスタント時代です。
毎日のように先輩から指摘されて、気持ちも正直揺さぶられます。家に帰ったら「北の国から」を観なければいけない。
本当に忙しかった。でもその密度が、僕をここまで連れてきてくれた。
順位ではない。バーバーバトルで学んだ「バーバーのあり方」
アパッシュに入社してから、バーバーバトルに3度出場。
1回目は北海道エリア2位、2回目で1位。
結果だけ見ればよく見えるかもしれないけれど、その裏には尋常じゃないプレッシャーがありました。
アパッシュの先輩たちは、みんな全国大会出場レベル。
会社の看板を背負って出る緊張感は、半端じゃなかったです。
でも逆に、全国に行けばその先輩たちと肩を並べられる。その目標が、自分を突き動かしてくれました。
朝も夜も、営業前後はひたすら練習。ありがたいことに、先輩がその練習に付き合ってくれました。
技術以上に、僕が学んだのは「所作」。
顔を動かすときの力の入れ方、タオルで拭くときの手の置き方、一つひとつの動作が「人を喜ばせる」ことに繋がること。
マネキンでの練習も大事。
でもやっぱり、人に対しての練習が「本当の練習」だと思います。
「髪を切るだけがバーバーの仕事じゃない、人を喜ばせるためにという気持ちを強く思わないといいバーバーにはならないよ」
って言われ続け実践したことがこの結果につながりました。

これから永田吉伸
現在は、スタイリストとして3年。
これまでは、かっこいい髪型のスタイルを提案することにをしてきました。
でも、これからはもっと深く、もっと広く。髪型だけでなく、ファッションやライフスタイルまで含めた、「トータルでスタイルを提案できるバーバーになりたい」と思っています。
お客様の日常に寄り添う存在。日々の小さな変化や空気感に気づけるバーバーでありたいです。
そのために、 経験を積み、先輩たちの背中を追いかけながら、自分だけのスタイルを築いていきます。
永田吉伸のお気に入りの道具
本物のバーバーになるべく日々学び続ける永田。そんな永田が現場で愛用している、お気に入りの道具たちを紹介しよう。

ドライヤー
バーバーとしてお客様の最初に触れる道具がドライヤーです。
だからこそ、この一吹きに、どれだけ“想い”を込められるかが試される。
ドライヤーはただ乾かす道具ではなく、熱の距離、風の角度、時間のかけ方。
すべてがスタイルに影響する道具。
その“ギリギリ”を攻めてこそ、かっこいいスタイルが生まれます。
実は、アシスタント時代からドライヤーには苦手意識がありました。でも今では、それが初心を思い出させてくれる大切な存在になっています。
レザー
美容師としてのスタートだったからこそ、レザー=憧れそのもででした。
レザーは、 お客様の顔に刃を当てるという信頼関係の証である道具。
それを握る責任と誇りが、この一本に詰まっている。まさにバーバーを象徴する道具であることが好きです。
これは、持ち手を自分でカスタムしました。
ウッド素材を選び、優しく握れて、肌にもやさしい。刃物でありながら、ぬくもりを伝えられる道具にしました。
ハサミ
僕には勇気のいる値段のハサミです。笑
川上さんからの言葉で心が決まりました。
「自分がお客さんの気持ちになって考えてごらん。自分の頭を安いハサミで切られたら嬉しいか。この人お客様に安いハサミつかうバーバーなんだと思われたらどう思う?」
「切れ感は同じであっても”いいものを使って切るぞ”という気持ちになることも大事」だと教えてくれました。
いいものを使う覚悟があるかどうかは、お客様に伝わります。このハサミは、ただの道具じゃなく自分の信念を形にした一丁です。
永田プライベートの過ごし方
最近、新しい挑戦としてサーフィンを始めました。
地元・宮崎県はサーフィンが盛んな場所。いつか地元に帰った時、「ゴルフかサーフィンか…」と考えた末、今の僕にはサーフィンの方がしっくりきました。
冬は、北海道に来てから始めたスキーがマイブームです。
お客様との会話にもなるし、北海道らしい土地の魅力にも触れられる、日常の遊びも“自分の武器”になっていく感覚があります。
これからも、いろんなことに挑戦し、そのすべてを糧に本物のバーバーになります。

まとめ
今回はアパッシュメンバーの永田について紹介した。
普段の会話からは見えない永田の人柄やバーバーとしての熱い想いを知っていただけたら嬉しい。永田ご指名のご予約は、TELまたは春光店ホットペッパーからよろしくお願いいたします。
TEL:0166-74-6361
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