理容にとって「ハサミ選び」が個性がでるカットスタイルを作れる。アパッシュが現場向けにハサミの選び方やポイントを紹介


理容にとって「ハサミ選び」が個性がでるカットスタイルを作れる。アパッシュが現場向けにハサミの選び方やポイントを紹介

理容師としてスキルを上げていくために、道具にもっとこだわりたいと考えている若手スタイリストはいないだろうか?

ハサミは種類や値段、メーカーも様々。

こだわりのハサミを選ぶためには、長く現場に立ってハサミを持っている人の言葉が助けになるだろう。

今回は、実際にミズタニシザーズを使っているアパッシュのオーナー川上昌博と、アパッシュ大町店所属の西恭兵に、ハサミの選び方について聞いた内容を記事にした。

ハサミ選びに迷っている人は、ぜひ参考に読んでくれ。

川上が語る。理容師としてのハサミの選び方

アパッシュのオーナーである川上昌博に、ハサミ選びのポイントについて聞いた。

1、価格で選ぶ

価格帯は10万円前後、もしくはそれ以上のハサミを選ぶこと。

高い価格帯を選ぶことには、もちろん理由がある。

ハサミメーカーは、鋼材を混ぜ合わせて、こだわりの硬さに作っている。

レーザーの旋盤機で1本1本切り出して作っている工場の中を見れば、安く手に入る物ではない職人の品物であることは明らかだ。

安い価格帯のハサミを買って、切れなくなったら捨てて。なんてこともできない訳ではないが、ホンモノを突き詰めるのであれば、そうじゃない。

そして、それぞれメーカーのこだわりは、ハサミの「硬さ」で変わってくる。

一定以上のクオリティがあれば、ハサミメーカーによって切れ味に差がでることはない。

ハサミを選ぶときは、自分がやりたいカットのスタイルを想定して、それに合った硬さのハサミを選ぶことが重要なのだ。

2、愛着を持って毎日のケアができるか

毎日のメンテナンスは、仕事が終わったら行う。

オイルを差し、セーム皮という硬いレザーで、押すように刃を拭いていく。

ハサミは、2本の刃が軽くひねるような交わり方をしている。毎日使っていると、ひねり合う刃同士が何度も当たり続けるので、刃が反り上がる「返り刃」になってしまう。

レザーで刃を拭くことは、この返り刃を防ぐためのメンテナンスなのだ。

しっかり毎日メンテナンスができている人は、研ぎまでの期間が長く、ちゃんとメンテナンスをしない人は研ぎまでの期間が短くなる。

ハサミのバランスは、新品の出来上がった状態が100%であり、研げば研ぐほど刃が短くなるので性能を発揮できなくなる。

だからしっかりメンテナンスしてなるべく研ぎに出さない方がいい。

ハサミによっても変わるが、川上の研ぎに出す間隔は1年単位だと言う。

古いハサミから新しいハサミへ移るまでの期間は、これといって定まるものではなく、ハサミを捨てたこともない。

寿命が来た場合は、買い換えるのではなく、そのタイミングで発売される新しいシザーを使うようにしていると語った。

後輩にオススメするハサミ選びのポイント

自分がカットに何を求めていて、どんなハサミが欲しいのかを理解してほしい。

細かいところに使いたいなら小さめのハサミ、しっかり切りたいのであれば硬いハサミなど、カットやスタイルの目的別にハサミを使うことを考えることが大事になる。

まずは自分のこだわりを持つことがスタートだ。

西が語る。理容師としてのハサミの選び方

アパッシュ大町店所属の西恭兵に、ハサミ選びのポイントについて聞いた

西のハサミ選びは、自分のスタイルに合わせて、刃の長さや鋼材の硬さを選んでいくのがポイントだと語る。

鋼材の硬さ・柔らかさは、切れ味とは違うポイントであり、毛先のテクスチャーに差が生まれる。

ハサミをどう使い分けたいか、どんな質感を作りたいか、自分のこだわりと向き合うことで欲しいハサミが分かると言う。

末長く使えるほどの品質

1日の仕事が終わった後、油を差して、ハサミをきれいにするためのセーム皮という厚い紙で指で押すように拭くことで、返り刃を戻していく。

毎日のメンテナンスを行えば、研ぎの間隔も長くなる。

実際に、今は昔ほどバーバーがハサミを使う回数は減っているのだ。

昔は刈り上げもハサミで作っていたり、いろんなことをハサミでやっていたが、今はWAHLなどのバリカンで作業するシーンが多くなっていて、ハサミの使用頻度が下がってきている。

それに伴って、研ぎまでの期間も長くなるので、より毎日のメンテナンスをしっかり行うことが大事なのだと言う。

ハサミには、寿命のようなものはなく、以前使っていたハサミと別れることは基本ない。

時間が経てば、性能がアップデートされた新しいハサミが発売されるので、マイナーチェンジされたハサミは後輩に譲ったりなどしている。

後輩にオススメするハサミ選びのポイント

まずは、自分がどういうスタイルを作りたいのか知ることが重要なのだと語る。

ハサミのタイプもたくさんある中で、自分が作りたいスタイルに強みがないハサミを選んでも意味がない

オールマイティに使えるタイプのハサミがあるので、まずはそれから挑戦してみるのもいいかもしれない。

もしいまスタイルがあって、そのスタイルのクオリティを高いものにするための1本を選ぶのであれば、自分がどういうスタイルを作っているのか見つめ直した上で、カタログから選んで1本買ってみるのもいい。

その後、徐々に使う本数を増やしていって、自分のスタイルを作っていくことが大事だ。

まとめ

今回は、アパッシュのメンバーが語るハサミの選び方のポイントについて紹介した。

2人とも共通していた大事な考え方は「自分のスタイルを理解すること」である。

道具を駆使してこだわった髪型に仕上げるバーバーだからこそ、自身のスタイルを確立することはこの上なく重要であり、ハサミはそのスタイルを確かなものにするために不可欠なアイテムなのだ。

最後に、川上や西も愛用するミズタニシザーズについて紹介させてもらう。

ミズタニシザーズとは、アパッシュのメンバーの多くが使っているハサミメーカーであり、こだわり抜いた素材と職人の技が込められた一生モノのハサミを製造している。

新しいハサミとの出会いを探していたり、スタッフに質の良いハサミを支給したいと考えるバーバーやサロンの方は、是非問い合わせてみてほしい。



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