
地元・北海道滝川市でのある晩、友人と飲みに出かけたときのことだった。
そこに声をかけてきたのは一人のバーバー。その人との出会いが、須藤のバーバー人生の始まりだった。
「お前、バーバーやってみないか?」
そう誘われるも、不器用な自分には無理だと断った。でも、心の奥ではその言葉がずっと残っていた。
実は、叔父が床屋をやっていたことも関係している。工場で働くも何か手に職をつけたいと悩んでいた時、叔父に相談すると、店で働かせてもらうことになった。
声をかけられてから1年後の出来事だ。
通信制で理容師免許を取りながら、5年間叔父の理容室で修業した。
そんなある日、何気なく見ていたFacebookで、ふと目に止まったのが「アパッシュ」だった。
タトゥーだらけの人。ファッション。他とは何かが違う。
何の店なのか、何をしているのか、気になって仕方がなかった。
そうして、お客様として初めてアパッシュを利用することにした。
フェードという技術、クリッパーで魅せる仕事。そして働く姿がただただかっこよく、自分が知っている理容師の世界とは明らかに違った。
どんどんアパッシュの店の雰囲気、技術、接客に惹かれていった。月に一度通うことが楽しみで仕方なかった。
通うたびに「いつかここで働きたい」
その気持ちは次第に強くなっていった。
滝川の叔父の理容室で3年目を迎えた頃、「アパッシュで働きたいから辞めたい」という想いを叔父に伝えた。
しかし、当時新しい店舗を建てたばかり。「あと2年待ってくれ」と、アパッシュで働きたい想いを抱えつつも叔父の店で2年自分を磨いた。
待っている最中も自分のスキルは果たしてアパッシュで通用するのかは不安な部分もあった。
アパッシュで働くまでに少しでもスキルアップしようと思い、お客としてアパッシュに通う中で、川上さんのスキルが学べるバーバースタンダードブックを購入し実践。
それ以外にも、Youtubeのアパッシュチャンネルを参考にしながら滝川のお店で実践していた。
わからないことがあれば、月1回の担当の西さんに聞く習慣があった。
ただアパッシュ働きたいという想いが自分をどんどん突き動かしていた。
ーーーそれから2年
アパッシュのYoutube 企画「俺の1台」で見事に当選。当選者にはクリッパーが1台贈られることで連絡があった。
ちょうど髪をきる予約が入っていたので、店舗に直接受け取りに行くと伝えた。その時「言うべきタイミングがきた」とも感じた。
川上さんに時間をつくってもらいお店の裏で「アパッシュで働きたい」という想いを伝えた。
「みんなと相談してみるよ」と川上さん。
その後、2020年3月正式にアパッシュの一員となった。
待ち続けた2年。ようやく叶った瞬間だった。
何度だって立ち向かう。バーバーとして貫くもの
アパッシュに入社して5年。ここで俺が目指しているのは、「髪を切る」だけのバーバーじゃないということ。
お客様一人ひとりのライフスタイルに寄り添い、気持ちを汲み取り、信頼関係を築くこと。それこそがアパッシュのバーバースタイル。
正直、俺は人と話すのが得意な方じゃない。見た目からも、そう思われることが多い。
それでも、お客様との関係を築き、バーバーとして”人生の一部”になれる存在を目指している。
そして俺の成長を一気に加速させたのが、バーバーバトルだった。
須藤とバーバーバトルの歩み
これまでバーバーバトルに3回出場。初めて挑戦したのは2019年、まだアパッシュに入社する前のこと。
当時、スキルを磨いている俺にスタッフの西さんが言った。
「一度、バーバーバトルを見たほうがいいよ」
その言葉に背中を押され、滝川の理容室に在籍しながら初出場。
カルチャー、音楽、すべてが刺激的で、普段の営業では得られない経験に衝撃を受けた。
そして、同じ大会でアパッシュのたけるさんが優勝する姿を目の当たりにし、こう思った。
「俺も、あの舞台に立ち優勝したい」
2回目の大会は2022年。コロナ明けのバーバーバトル。アパッシュ代表として出場した。
久しぶりの大会だが、結果は無念。
技術だけじゃ勝てない。伝え方、表現力、まだまだ足りないものがあると痛感した。
そして迎えた2023年。 これが最後のバーバーバトル そう決めて挑んだ大会。 結果は4位。
大会までは、アパッシュメンバー、お客様が協力してくれ、全力を出し切ったつもりだった。でも、終わった瞬間、心の奥にあったのはやり切ったじゃなく、「悔しい」だった。
大会が終わった後、応援してくれたお客様が言ってくれた。
「勝つまでは負けじゃない」 「切り替えて、次の挑戦を期待してるよ」
たくさんの言葉をもらう中で、俺の心は決まった。
「もう一度、バーバーバトルに出場する」
最後と決めたはずだった。でも、納得してない自分がいることに気付かされた。
バーバーバトル北海道チャンピオンとして、東京の舞台に立ちたいという想いはまだある。
もし次があるなら、俺はもう一度挑戦する。そう心に決めている。
バーバー須藤の愛用の道具
須藤の得意スタイルは、トラディショナルで男らしいスタイル。最近はメンズパーマも多く手がける須藤の道具の中身をみてみよう。


コード式レジェンド
バーバー人生で一番最初に買ったクリッパー。アパッシュではじめて髪を切ってもらった時、西さんが使っていたクリッパー。真似して買って帰り練習に明け暮れた。
コード式ディテイラー ブラックアンドゴールド
アパッシュのYoutube企画「俺の1台」に当選し、アパッシュに入社するきっかけにもなったディテイラー、ブラック&ゴールド。川上さんに想いを伝えた、あの瞬間を思い出させてくれる思い出深いクリッパー。
ナルトシザー すきハサミ
最近購入したナルトシザーのスキバサミ。柔らかな質感を表現するため、自分の技術と向き合いながらトップの柔らかさを追求している。
まとめ
今回はアパッシュメンバーの須藤について紹介した。
普段の会話からは見えない須藤の人柄やバーバーとしての熱い想いを知っていただけたら嬉しい。
須藤ご指名のご予約は、TELまたは東光店ホットペッパーからよろしくお願いいたします。
TEL:0166-52-2397