UPPERCUT (アッパーカット)ポマードについて|ブランドの歴史や特徴・魅力を解説


UPPERCUT (アッパーカット)ポマードについて|ブランドの歴史や特徴・魅力を解説

「UPPERCUT DELUXE」というポマードブランドを聞いたことがあるあなたは、きっとバーバーカルチャーのニッチな世界に深く足を踏み入れていると言ってもいいかもしれない。

自分なりの自分らしいバーバースタイルを実現するには、ポマードの追求は欠かすことのできないポイントだ。

それに、色んなポマードで遊ぶことで毎日の変化を楽しむこともできる。

この記事では、UPPERCUTというブランドのストーリーや、UPPERCUTポマードの種類ごとの効果や特徴、ポマード以外のアイテムの魅力について深掘っていく。

ぜひ今後のポマード選びの参考にしてほしい。

UPPERCUT (アッパーカット)ポマードとは

「UPPERCUT DELUXE」は、オーストラリア発のポマードブランドだ。

Luke Newman(ルーク・ニューマン)とSteve Purcell(スティーブ・パーセル)の2人によってUPPERCUTは創設された。彼らは子どもの頃からの幼なじみで、バーバー、サーフィン、スケート文化をこの上なく愛する2人はそれぞれの人生を歩んでいく過程でバーバーになる決意に至ったのだという。

Lukeは、アメリカでバーバーの世界に出会う。スケートパークを作っていた仲間とオレゴン州ポートランドに滞在していたとき、住んでいた場所のすぐ近くにオールドスタイルのバーバーショップがあった。隣のカフェで毎日コーヒーを買っていたことで、そのバーバーの様子を毎日眺めることが日課になっていたのだ。そうしてバーバーの店内を見ていくことで、バーバーが時代を超えた職業であると、そしてコミュニティが生まれ育つ特別なスペースであるのだと見惚れたという。そして彼はオーストラリアに戻ってバーバーとなる。

Steveは、バーバーとして長い経歴を持つ。彼はまだ若い年齢のときに学校を辞めてバーバーの世界に飛び込んだ。もともと学校が嫌いだった彼だが、学校を出ていくなら職を手にする必要があると父親から言われていた。そんな中、彼の弟がカットに行っていたバーバーが見習いの募集をしていたのを見て彼はバーバーになるチャンスに飛びついた。彼にとってバーバーという場所は、幼い頃から祖父が連れて行ってくれた思い出の空間だったのだ。

そんなLukeとSteveの2人は、自分たちの自分らしさそのままの姿を映し出した環境で働きたいという願い、そして男たちがぶらぶら遊びに来れる居心地の良い空間を作りたいという願いのもと、自分たちのバーバーショップ「UPPERCUT DELUXE」をオープンすることになった。

しかし、当時のオーストラリアではバーバーに対する評価が底辺まで落ち込んでおり、誤解されることも少なくなかった。実際にSteveは美容師と勘違いされることもあったのだそうだ。

スタイリング・身だしなみに、かつての男たちのようなクールさを取り戻すため、彼らはバーバーの世界をより深く追求する過程で、ポマードブランドとして「UPPERCUT DELUXE」を立ち上げる。

UPPERCUTにとって最初のポマードである「DELUXE POMADE」は、メーカーと1年間に渡り開発を重ねたのち、ようやく製品化に至ったという。そして、今では海を越えて世界中のバーバーで使用されるポマードのひとつとなっている。

ブランド名「UPPERCUT」の由来

「UUPERCUT」というキャッチーでユニークなネーミングは、ブランド創設者であるLukeの祖父であるWilly OSheaへのリスペクトが込められている。Willyは元ボクサーで、リング上での彼の呼び名が「UPPECUT」だったのだ。

 “A hard beginning maketh a good ending.”(困難な始まりは良い終わりをもたらす)

Willyがよく口にしていた言葉だ。彼らはこの言葉を強く信じ、最高のポマードブランドを作るため、南半球オーストラリアの地からアジア・アメリカ・ヨーロッパなど世界中のバーバーカルチャーに貢献するために日々挑戦している。

今まさに“UPPERCUT”を繰り出そうとする瞬間のポーズが描かれたパッケージデザインには、そんな彼らのバーバーカルチャーに抱く情熱が込められているのかもしれない。

UPPERCUT (アッパーカット)ポマード

続いて、UPPERCUTのポマードの種類を紹介していく。UPPERCUTのポマードは、ホールド力、ツヤ感、テクスチャーにおいてそれぞれが特徴的であり、どんなヘアスタイルのスタイリングにも、どれかのポマードが活かせられるようになっている。

シーンやスタイルを想定しながら見ていってほしい。

DELUXE POMADE /デラックス ポマード

UPPERCUTの中で最も定番であり、最初にリリースされたポマードがこの「DELUXE POMADE」だ。

作り上げたい特定のバーバースタイルが決まっているような人は、このポマードはかなり役立つだろう。

手に取った時の柔らかな感触が特徴的。他のポマードブランドの定番と比べても、手に取った時の伸びがかなり良い。

テクスチャーが柔らかいのでどんな髪質・髪の太さでも塗布した後のコントロールにストレスが少ない点もこのポマードならではの魅力だ。

ホールド力: ★★★★★★★☆☆☆

ツヤ感:  ★★★★★★★★☆☆

MATTE POMADE/マットポマード

マットポマードは、自然なマットな仕上がりと中程度のホールド力を備えた、まさにオールラウンダーなポマードだ。どんな髪の長さや髪質にも、思い通りのスタイルを演出してくれる。

クラシカルなバーバースタイルに限らず、モダンなスタイルまで幅広いニーズに対応できるよう設計されている。

クリーミーな見た目とは裏腹に、髪にしっかりとなじみ、強力なグリップ力と持続力を発揮するのがこのマットポマードの強みだ。一日中、思い通りのスタイルをキープすることができる。

ホールド力: ★★★★★☆☆☆☆☆

ツヤ感:  ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

CLAY/クレイポマード

クレイポマードは、強いホールド感を持つ一方で、ツヤ感が出ずに自然な仕上がりを作ることができるポマードだ。

水性ポマードに広く共通する「髪が固まって手直しできない」というデメリットを克服し、一日中簡単にスタイリングを整えることができるのがこのポマードの強みだ。

現代のメンズに増えている、クラシカルなツヤ感のあるスタイルを好まない人のニーズに適合したポマードだとも言えるだろう。ナチュラルな質感で、毛先に遊びを作ったり、ビシッとキメたりもできる。使い方は多種多様だ。

新しい時代のバーバースタイルを取り入れて楽しみたい人には特におすすめできるポマードだ。

ホールド力: ★★★★★★★★☆☆

ツヤ感:  ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

FEATHERWEIGHT/フェザーウェイト

「フェザーウェイト」というネーミングは、軽いペーストでありながらパンチが効いていることに由来している。

少し抑えたツヤ感と十分なホールド力を備え、UPPERCUTの中でも使い勝手のいいポマードのひとつだ。

ボリューム感を出したり、軽く立ち上げることも可能だ。このポマードのテクスチャーは、ひとつで何でもできるようなアイテムを求める、特定のスタイルに強いこだわりはないけどイイ感じにキメたい人におすすめできるポマードと言えるかもしれない。

ホールド力: ★★★★★★★☆☆☆

ツヤ感:  ★★★★☆☆☆☆☆☆

EASY HOLD/イージーホールド

イージーホールドは、UPPERCUTの中でも最も軽さを演出するポマードだ。

手にとるとクリーミーな感触のあるこのポマードは、手間をかけずに自然で重さを感じさせないスタイルを作ることができる。

あらゆる長さや質感の髪に使うことができ、ツヤ感はホールド力は必要ないが少しだけ髪にボリューム感やコントロール性がほしいくらいのスタイルにはイージーホールドがよく合うだろう。

ホールド力: ★★☆☆☆☆☆☆☆☆

ツヤ感:  ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

UPPERCUT (アッパーカット)ポマードの特徴

UPPERCUTのポマードの特徴は、あらゆるスタイリングに幅広く応えられるようにアイテム展開がされている点にある。

彼らの原点には50年代のクラシカルなバーバースタイルへの深いリスペクトがあり、時代を超えたスタイルを忠実に再現するためにUPPERCUT DELUXEは生み出された。

しかし、ただクラシックのためにあるのではなく、現代ならではのモダンなスタイリングへのニーズにもしっかり合わせられるポマードシリーズを開発している点がUPPERCUTの

例えば、パーマのような遊びの感じを作るスタイリング、ツヤ感は出さずに自然な質感で仕上げたいスタイルには、クレイやマットが存分に活きるだろう。

質感を柔らかく、ナチュラルに髪を持ち上げたいならば、フェザーウェイトやイージーホールドが合うかもしれない。

そして、海外の雰囲気を漂わせる甘い香りも外せない特徴のひとつだ。

サーファーやスケートボードのカルチャーに系譜があるUPPERCUTポマードの香りは、そんな海沿いのストリートな暮らしを彷彿とさせるような程よい甘さを持っている。

UPPERCUT (アッパーカット)のポマード以外のアイテム

UPPERCUT DELUXEは、ストリートやバーバーカルチャーに寄り添ったアイテムを、ポマード以外にも展開している。

STYLING POWDER/スタイリングパウダー

スタイリングパウダーは文字通りパウダー状の整髪料で、髪にふりかけるだけで髪にボリュームを与え、マットな質感に仕上げてくれるアイテムだ。

手の上に載せる手間がなく、直接髪につけるだけで髪をコントロールできるようになるので数秒でスタイリングが完成する。クロップスタイルなんかには最適のアイテムだ。

BEARD BALM/ビアードバーム

このアイテムが必要な日本人は少ないかもしれないが、ビアードバームはヒゲの多い人のための、ヒゲ用バームだ。

ヒゲはスタイルに個性を出すための魅力的な部位と言えるが、長いヒゲをたくわえている人にとって、ヒゲは時として清潔感が欠けたように見せてしまうこともある。

このビアードバームは、そんなヒゲにツヤを与えて形を整えることができ、手入れを行き届かせた健康的な印象を与えてくれるだろう。

アパッシュがUPPERCUT (アッパーカット)を取り入れようと思ったきっかけ

アパッシュがUPPERCUTを取り扱うようになったのは2024年になってからの最近の話だ。

アパッシュのオーナー川上は、アメリカでLAYRITEやSUAVECITOなどのポマードブランドが台頭し始めた時代の少し後、オーストラリアでUPPERCUTというブランドが登場したことについては知っていたという。

スケートやサーフィンの文化を大切にするスタンス、やっていることの方向性は昔からカッコいいと思っていた。だが、標準価格よりもやや高めに設定されている価格面で懸念があり、ショップで実際に取り扱うには至らなかったのだそうだ。

そんな中、オーナー川上がBROSHのイベントでマレーシアに行った際にUPPERCUTの面々と初めて顔を合わせる機会があった。バーバーに対する彼らの情熱のようなものを感じる。

「自分達のポマードはカットショーみたいなステージのためにあるのではなく、バーバーの現場のために考えられたポマードなんだ」と語った彼らの言葉を聞き、純粋にカッコいいと感じたのだと言う。

「人生は流れとタイミングだからね」と笑いながら川上は語った。

そして今年の4月、UPPERCUTの創設者Steveとアジアエリアのセールス担当Nickの2人が、プロモーションを兼ねてバーバーを巡るために初めて来日したのだが、そのスタートの地は北海道だった。

川上は空港まで迎えに行って彼らに北海道を案内し、当日ちょうど行われていた札幌のバーバーバトルにも一緒に観に行った。

今ではアパッシュの店頭にはUPPERCUTのポマードが並んでいる。オーナー川上をはじめ我々アパッシュにとって、またひとつ大切にしていきたいバーバーとの繋がりが生まれたと言えるかもしれない。

まとめ

この記事では、オーストラリア発のポマードブランド「UPPERCUT DELUXE」について、ブランドストーリー、ポマードをメインにアイテムの特徴・魅力を紹介した。

もっと深いところまでバーバー文化を楽しみたい人にとっては、いろんなポマードを試していく中で必ずUPPERCUTは出会うべきポマードだと言えるだろう。

ちょっとした気分の違いでポマードを変えてみると、いつもと違う1日を過ごすことができるかもしれない。新しいポマードを探している人は、ぜひ一度UPPERCUTを手にとってみてほしい。


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